さて、このA-2レザーフライトジャケットですが、第二次大戦中のものは、そのほとんどがホースハイドだったそうです。初期の少数のみゴートスキン、一部はカウハイドのジャケットもあったそうです。
大量生産でホースハイドの供給が追い付かなかったようです。
また、それぞれコントラクターと採用年により、バリエーションが違っていたり、タグの表記が違います。
以下、これらの説明をして行きましょう。
1.コントラクター(Contracter)。
「コントラクター」とは、アメリカ空軍から「A-2フライトジャケット」の製造を委託された業者の事です。
そして「コントラクターナンバー」とは、アメリカ国防省による軍需品の調達契約に付与される番号です。
1988年に支給を再開した時から1998年迄のコントラクターは、クーパー社(Cooper)。そして、1999年からはコクピット社(Cockpit)、アヴィレックス社(Avirex)へと変遷しています。
2.バリエーション。
「A-2フライトジャケット」のバリエーションですが、1988年に支給を再開した時のクーパー社製は、ゴートスキン(ヤギ革)で、襟首に左右を固定するフックが有ります。裏地は、ポリエステルとコットン50%の混合布となっています。
それに比べて現用は、ゴートスキンと裏地に変わりは有りませんが、コクピット社製のジャケットは、内側にペンポケットが1箇所と内ポケットが2箇所追加されています。また、全面のジッパーがYKKに変更されています。
一方、アヴィレックス社製は、表のポケット側面に隠しポケットが付いています。
3.タグの読み方。
ジャケットの襟に付いているタグの読み方についてお話しをしましょう。
添付のタグの写真(某ネットショップで購入したジャケット)を参考に、説明を行います。
①一行目の「TYPE A-2」がモデル名で、このジャケットが「A-2」と云うことを示しています。
②二行目の「42R」は、このジャケットのサイズを示しており、「R」はジャケットの丈の長さがレギュラーであることを示しています。ちなみに、サイズ表示が「42L」となると、「L」はジャケットの丈の長さがロングであることを示しています。
③「SPM1C-07-D-15400 0018」がモデル番号(コントラクターナンバー)となりますが、写真のタグは『SPM(スペシャル・パーシャス・マネジメント)』です。2006年辺りからの予算に表示があります。
1994年迄は、『DLA(ディフェンス・ロジスティック・エージェンシー)』、1994年からは、『SPO(スペシャル・パーシャス・オーダー)』、1995年からは『SPO0(エスピーゼロと読みます)』。その後『SPM』へ移行します。
④「COCKPIT USA.Inc.」はアメリカ空軍が作製の請負を依頼した業者名です。
ただし、このタグの表記ですが、メーカーによって様々なものがあります。また、ジャケットの種類によっても違っています。
なお、1988年に支給が再開された時に、初期に100着をアヴィレックスが製作し、軍の高官にプレゼントしたらしいです。
その後、クーパーがDSCP(ディフェンス・サプライセンター・フィラデルフィア)と契約し、供給開始しています。
仕様もパッチポケットにハンドウォーターが付き、内部に財布ポケットが追加されました。
当時のクーパーは生地が薄くシワシワで、$80(約1万円程度。当時、$1=120円)で供給されていたそうです。
当時のジャケットマニアは、見た目が悪い官給品よりもクーパーが市販品(コマーシャル品)として販売していたモデルが支持されていた様です。
なお、バリエーションは、コマーシャル品(市販品)が多すぎて、まとめきれません。
そんな中でも、完全コピーを狙ったマッコイなんかは、コマーシャル品では無く複製(レプリカ)の扱いになると思います。
続きは、No.3へ…。
(CRAZY KATO)